この夏の2ヶ月間のアメリカクライミング
2002年8月20日 手紙
この夏の2ヶ月間のアメリカクライミングについて報告します。今回行ったのはコロラド州とワイオミング州で前半はスポーツクライミング、後半はアルパインクライミングを楽しみました。
7月3日、私と妙子そして渋谷由加の3人は高地トレーニングで有名なコロラドはボルダー市に入り友人の家に泊めさせてもらいました。最初の2日は天気が悪いのに加え時差ボケのためエルドラドキャニオンやフラッグスタッフでの易しいクライミングでお茶を濁してからシェルフロードに移動しました。
大手ではないレンタカー会社で借りた車は新しい日本車で我家の車では考えられないくらい快適なドライブでした。シェルフロードは一応スポーツクライミングのエリアでしたが垂壁で指先ばかりに負担のかかるルートばかりでした。また多くの壁が南か東に向いているため暑く脱水症状になりそうでした。
次に行ったのはアメリカでも有名なスポーツエリアのライフルで車道を挟むように2キロ近くオーバーハングした壁が続いています。
キャンプ場が少々ほこりっぽいのが難点でしたが岩は素晴らしいものでした。2日登って1日休むサイクルを続けましたが、こんなにまじめに登り続けたのはひさしぶりのため体があちこち痛みました。
また食事も日本に居るときはジャンクフードを良く食べる私ですが、ここではまじめな食生活をしたおかげで体はみるみるうちに痩せてきました。
最も印象に残っているのはあまり有名ではない5.12のルートでしたがいつも同じところで落ちていたので登れたときは感激しました。やはりクライミングはグレードではないと思ってしまいました。
由加さんが日本に帰国した後、私達はロングスピークのダイヤモンドウォールを目指しロッキーマウンテンに向かいました。ダイヤモンドウォールはヨセミテのエルキャピタンほど大きくありませんがアメリカのアルパインクライマーなら誰もがあこがれる壁です。
私は2回妙子と1回はソロで登りましたが4,000メートルでのクライミングは、さすがに厳しく5.11dのピッチでは何度もテンションをかけましたし、毎日、夕立が来るのでスピードも要求されました。
日本にもダイヤモンドウォールのような壁があったらと思いながら500マイル離れた次の目的地ティートンまで走りました。
ティートンは有名な観光地であるイエローストンの近くです。私達はそこの最高峰であるグランドティートン峰を目指しましたが公園内では多くの動物に出会え特に車の周りにバッファローの群れが来たのには感激してしまいました。
グランドティートン峰ではミックスルートを考えていましたが雪が少なくロックルートに変更しました。普通は1ビバークで登るそうですがパーキングから14時間で往復に成功しました。
その後ウインドリバーを計画していましたが妙子が足のけがをしたためスポーツルートだけを4日ほど楽しみ日本に帰国しました。
今回は多くの人に出会えまた助けてもらい順調に旅を進める事が出来ました。いつかまたこのようなクライミングツアーをしたいと考えております。
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