ついにクライミングを再開しました

2003年9月16日 手紙

ついにクライミングを再開しました。退院してからすでに半年、岩を登りたい登りたいと思いつづけていたわけですが、指が痛い足が痛いでなかなか登り始める事は出来ませんでした。

最初に行ったのは家から車で20分で行ける御岳渓谷。ボルダリングに挑戦しました。初めに登ったのは、もっとも易しいと思われる滑り台岩。まず怖いのは指を切断した右足にクライミングシューズを履くことでした。きついシューズに足を入れて行くと皮が剥けそうで。滑り台岩の中でも一番易しい10級のラインに取り付いてみました。まず高さ2、3メートルぐらいの岩なのに上から落ちられない事に恐怖を感じてしまい、なかなか最初の一歩が出ませんでしたがなんとか上に登ることに成功。少し感動してしまいました。しかし予想どおり右足は痛みましたし細かいスタンスには立てませんでした。次に左にある同じ10級のライン。こちらは最後の抜け口がマントリングで今の僕には出来そうもなかったので途中で諦めました。この日はこれ以上登るのは無理と感じ近くのボルダーを手でべたべたと触ったり知人の登りを眺めて過ごしました。

次に向かったのは小川山の兄岩。知人に5.7と5.10aのルートにトップロープをかけてもらい挑戦。5.7のルートはステミングとジャミングを駆使して一発で成功。そしてなんと右にある5.10aのルートも一発で成功。ジャミングが使えたから登れたのでしょう。テラスからは眺めも良いし気持ち良い風も吹き気分は最高でした。次は5.10bのフェースルート。このルートでは自分の力の無さを痛感しました。垂直の壁に3センチほどのホールドが程よくちりばめられ一見登りやすそうに見えました。しかし最初から手に力が入らず身体が上がりません。もちろん、失った両手の小指と薬指は使えず、中指と人差し指の2本指で持つわけですが、なぜか力が入りません。元気なころも2本指で登ることもあったのに。無くなった小指と薬指の重要性がこの時初めてわかりました。確かに握力がなくなったことは普段の生活で知ってはいたのですが岩のホールドぐらいには耐えられると思っていました。クライミングの動きは覚えているのに力が入らないのは辛いものです。翌日は5.10aのスラブをぎりぎりトップロープで登り2日間のクライミングは終了しました。

翌週は家の近くの白妙へ。しかしここでは一番易しい5.10aのルートさえも登れませんでした。クライミングを再開して3週間、気持ちの浮き沈みの多い日々を過ごしていますが、それでもやはりクライミングは楽しいです。初心者のレベルまで落ちてしまいましたが、ここからどこまで上のグレードに進めるかも楽しみです。まずは鴨居にぶら下がれるぐらいの力が戻るようにトレーニングしたいと思います。

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