四川省のビックウォールに再挑戦してきました
2005年7月28日
昨年登れなかった中国は四川省のビックウォールに再挑戦してきました。
6月22日 日本を出発し7月25日に帰国しました。昨年と同様に現地は悪天候の毎日で1ヶ月のうち雨の降らなかった日は1日も無くずいぶんと苦しめられました。
しかし今年は完登です。ついに2年がかりで成功させました。
体力面も鍛えなおしてましたし弱点である手足の防寒対策も以前よりも研究しました。
ベースキャンプはたくさんの花が咲きヤクや羊などが遊びに来る素晴らしい場所で標高は3700メートルです。本格的に大岩壁が始まるのは4500メートル付近で昨年岩壁に残しておいた200メートルのロープが今年も使えたのは助かりました。まず下部岩壁にロープを設置するのに1週間かけました。
数日の休養後7月13日から本格的にアタックを始めました。毎日ポーターレッジ(岩壁用ベット)にぶら下がりながら少しづつ前進して行きましたが、あまりの悪天候のため2日目にはダウンジャケットや寝袋はびしょびしょに濡れまともに寝ることも出来なくなりました。しかし連日の登攀のため身体の筋肉は悲鳴をあげてましたが休むことなく登りつづけたのです。北壁のため太陽は1秒も当たらず震えながらの登攀です。途中かなり危険な場面にも出くわしましたが、それも克服しました。
そして登攀を開始してから7日目ついに5350メートルの稜線に抜けたのです。
今回はかなり気合も入れてましたし、ある程度の覚悟もして挑戦しました。このポタラ北壁を登らなければ何かが始まらない気がしていましたし またクライマーとして僕が死んでいないと言う自分自身への証明も必要でした。実際の登攀中、精神面の持久力には他人事の様ですが、驚きの連続でした。あの悪条件でなぜ諦めないのかなぜ気持ちが続くのか僕にも解らないぐらい凄いものでした。
現在日本に帰国した僕は、能力の限界まで出しきってしまったのか、まともに歩けないほど身体はボロボロですが、しばらくは安らかな生活が出来そうです。
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