雨が続き、岩が濡れているので

2007年7月19日

雨が続き、岩が濡れているのでグリーンランドへのトレーニングもできない。そこで雨でも影響のない沢登りに行った。

大菩薩嶺に突き上げる短い沢だが、時々現れるきれいなナメ滝を楽しんだ。しかしまもなくグリーンランドでの本番をむかえるというのに、ちょっと危険な目に逢ってしまいました。ひとつはヌルヌルの滝でのこと、ロープも持ってきていないので今回は無理せず下降しようとしたとたん、足を取られ、あっという間に滝壺に向け3メートルほど落下。無事ではあったが、もう少しで足首をひねるところでした。もうひとつは登山道に合流後、速足で歩いていていました。そこでのんきにおしりを振りながらゆっくり歩く真っ黒い熊に追いついてしまったのです。あわててヘルメットを装着し歌を歌いながら改めて前進したのです。

無事に沢登りを切り抜けたところで、グリーンランドの、ビックウオールクライミングに出かけてきます。岩壁の大きさは2005年の中国のポタラの1.5倍、約1300メートルぐらいです。しかし今回はソロではなく3人で向かうので多少気が楽です。約40日間の旅になりますが、そのうち20日を登攀に充てる予定です。帰国は9月上旬になると思います。多分、極北の嵐に苦しめられるでしょうが、いつも通りの強いモチベーションを維持しながら、ぎりぎりまで頑張り、美しい景色が広がるだろう頂を目指したいと思っています。もちろん頂を目指すだけではなく、なるべくフリーでエイドを多用せず、また自分達らしい美しいラインから満足のいくクライミングを目指し、この冒険を満喫したいと考えています。

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