4月下旬は北アルプスの赤沢山の岩壁を一人で登った。はたしてどの位の人が赤沢山の存在を知っているだろう。周りにはあまりにも有名な穂高岳、槍ヶ岳があるのでクライマーでも登った人間は少ないだろう。赤沢山が頻繁に登られていたのは1970年代、エバニューで働いていた方も正面壁に新ルートを開いている。
しかし現在では年に1パーティーも登るだろうか?まさに忘れ去られた岩壁だ。ベースとなるのは槍沢ロッジの先にあるババ平のキャンプ場、そこから岩まで30分ほどでたどり着ける。赤い岩はボロボロのように見えるが比較的硬くホールドも豊富なのでフリーで楽しめる。今回登った針峰フランケ中央チムニーは4月にしては雪も多く、また天候も悪かったため氷が付着しなかなかのアルパインルートになっていた。
計画していた赤沢山の岩壁から槍が岳の西稜へのソロクライミングは天候の問題もあり果たせなかったが、いつの日か再び積雪期に挑戦してみたい。また全国にあるだろう忘れ去られた岩壁たちを挑戦するのも面白いかもしれない。