情報が少ない山や岩に挑むことは、その規模に係わらず何時でも面白い。
2015年4月21日
情報が少ない山や岩に挑むことは、その規模に係わらず何時でも面白い。行動中は頭をフル回転、肉体と相談しつつ全力で頂に到達した瞬間は、誰もが知っている有名ルートを登るよりも喜びは大きい。
奥多摩の大丹波の石ころ、石ころと言っても高さは5メートルはあるだろう。随分と昔に下の方だけは遊んだことがあった。その日は勇気を振り絞り、クラック沿いに上部まで登ってみようと考えた。ハングはすんなりと越え上へ向かう、下は岩がゴロゴロした沢、落ちたらタダでは済まない。果たして登りきれるだろうかという不安を捨て、誰も触れたことのないと思われる岩を必死に掴み、最後には苔むした岩の上に到達した。
先日は北アルプスの穂高岳滝谷、目指していた氷は溶けてしまっていたので、自分達の力量を考慮しつつ、面白そうなところを適当に選び北穂高岳の頂を目指した。いったい今何処にいるのだろうかと何度も思ってしまったものの、集中力を保ち弱点を見つけながらアックスを突き刺し稜線に向け登攀した。
この二つクライミングは記録的な価値はほとんどない、しかし印象深い日になったのは確かだ。こんな山登りをこれからも沢山したいと思う。
気がつけば今日が誕生日、登る喜びを知った若い頃、ここまで長生き出来ると思っていただろうか。甘い誕生日のケーキは残念ながら無い、あるのは苦みのある山菜だけだ。
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