車で走ること７分、目指す沢の近くに駐車する。すでに蒸し暑く、登ることよりも泳ぎたい気持ちが上回る。嬉しいことに数日前の雨で水量が多い。痛めている膝には冷えは良くないだろうが、深い水流にどんどん入っていく。あまり人が入った雰囲気が無いが勿論不安はない。森が深くなり谷が暗くなる。滝の淵に顔を入れてみると、何匹か泳いでいた。
苔むした岩の上で蝉の声を聞きながら、おにぎりを食べていると凄く幸せを感じる。でも、本当はもう少し激しく山と接していたいなとも感じている。最近、何もかもを知り尽くしてしまったような態度で、山に向かいすぎているようにも思える。
いつの間にか黒い雲が空を覆い、強い雨が降り出した。水が徐々に濁りだしたので、家に戻ることにした。
