
その晩は、北は東北から、西は九州からOBの方々が集まった。本来賑やかな場は苦手ではあるが、懐かしい先輩が相変わらず山は歩いているという話を聞くと嬉しくなり、また悶々とした気持ちも和らいだ。
中学3年生で入会し、クライミングを始めて間ない僕を北岳バットレス、谷川岳一ノ倉沢等の一流の岩場に連れて行ってくれた方々とも久しぶりに会えた、また国立市の偉い方とは高校1年の冬に甲斐駒ケ岳の戸台川本谷で一緒にビバークした。
それにしても・・危険な岩壁や雪崩の起きそうな雪山に子供のような僕を連れて行ってくれたなと思う。その間、喜びもあるがリスクもあるトップも何度の経験させてもらっている。怪我や死亡しても山岳会に責任は無いと親が念書を書いているとはいってもだ。
連れていく自信か?パートナーへの信頼か?僕の情熱??だろうか。何にせよ先輩に感謝である。
60周年の日の午前中、自宅近くで気になっていたボルダーを掃除し登っていた。40年近く、全く変わらない何かがある。
