-
近年、幼児期からの成長期に、五感を使った多様な動きをすることが運動神経の発達ににつながるとして、
コーディネーショントレーニングが注目されています。
脳と筋肉の協調を図り、運動神経の回路を発達させ、神経や筋肉など複数の要素をコントロールする能力を
養うトレーニングで、1970年代に旧東ドイツのスポーツ運動学者が考案した理論です。
体のバランスをとる運動
体を移動する運動
- ●這う・歩く・走るなどの動き
- ●跳ぶ・はねるなどの動き
用具を操作する運動
力試しをする運動
基本的な動きを組み合わせる運動
- ●用具を操作しながら移動する
- ●バランスをとりながら移動する
-
2〜4歳は知能・運動神経が著しく発達します。おともだちと全身を使って遊びながら運動に親しむことで、健康な体づくりを促します。
-
4〜7歳で、多種多様な運動に親しむことは重要な要素であり、運動することの楽しさと共に、協調性や積極性が育まれます。
-
運動神経は、8〜12歳でほとんどが出来上がり、この時期にできた運動は、大人になっても忘れないと言われています。
平成23年より、小学校では新しい学習指導要領による教育課程が全面実施されています。
小学校学習指導要領体育科の改訂においては、「体つくり運動」が低学年から位置付けられました。
その内容としては、低学年に「多様な動きをつくる運動遊び」、中学年に「多様な動きをつくる運動」が示されています。
これらは、将来の体力向上につなげていくために、この時期に様々な基本的な動きを総合的に身に付けていけるような実践が求められます。
幼児期は運動機能が急速に発達し、多様な動きを身に付けやすい時期です。
この時期に多様な運動刺激を与えることにより、タイミングよく動いたり、力の加減をコントロールするなどの運動を調整する能力が高まり普段の生活で必要な動きをはじめ、とっさの時に身を守る動きや将来的にスポーツに結びつく動きなど基本的な動きを多様に身に付けやすくなります。
基本的な動きは「体のバランスをとる動き」、「体を移動する動き」、「用具を操作する動き」におよそ分類して捉えることができます。
「体のバランスをとる動き」には立つ、座る、寝転ぶ、起きる、回る、転がる、渡る、ぶら下がるなどの動きがあります。
「体を移動する動き」には歩く、走る、はねる、跳ぶ、登る、下りる、這う、よける、すべるなどの動きがあります。
「用具を操作する動き」には持つ、運ぶ、投げる、捕る、転がす、蹴る、積む、こぐ、掘る、押す、引くなどの動きがあります。
幼児が楽しく体を動かして遊んでいる中で、多様な動きを身に付けていくことができるように、様々な遊びができるような手立ても必要となります。
そこで、運動習慣の基礎づくりを通して、幼児期に必要な多様な動きの獲得や体力・運動能力の基礎を培うとともに、様々な活動への意欲や社会性、創造性などを育むことを目指し、指針を策定しました。
注:文部科学省「幼児期運動指針ガイドブック」より抜粋